Zcashの価格は下落圧力にさらされている。ガバナンスを巡る衝撃がセンチメントを打ち砕き、チャートは短期足で下抜けした。下方リスクが明確となった。
この動きが異例なのは、大口保有者が下落局面でも積極的に買い続けている点である。ZEC価格は前週比で25%下落。価格、センチメント、クジラの動きがそれぞれ逆方向となっている。
下落パターンとEMA割れ、30%リスク領域を示唆
Zcashは日足チャートでは見落としやすいが、12時間足で明確な下落パターンを示している。価格はヘッドアンドショルダーのネックライン(381ドル付近)を下回りパターンは完成。この水準割れによって下落シグナルが点灯した。
標準的なヘッドからネックラインまでの計測値を適用すると、下値目標は253ドル付近。現在値からさらに30%超下落する可能性を示唆している。
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この下落は単独で起きたものではない。Zcashは12時間足で200期間指数平滑移動平均線(EMA)も割り込んだ。EMAは直近の価格を重視し、トレンドの強さを示す。200EMAを失う局面はサポートからレジスタンスへの転換点となりやすい。
同時に、20期間EMAが100期間EMAを下抜けている。このデッドクロスは短期的な下押し圧力が強まったことを示す。このクロスがさらに進展すれば、ZEC価格の下落局面が拡大する可能性がある。
チャートの下落構造、EMA割れ、デッドクロスが重なり、下方圧力が明確に示された。
センチメント低下で急落 クジラは密かに買い集め
今回の下落の主因はセンチメントにある。
ガバナンスを巡る衝撃を受け、Zcashのポジティブなセンチメントは数日間で90近辺から5付近まで急落。90%超の下落となった。ZECはセンチメント変化に敏感な傾向がある。
12月27日には、センチメントの局地的上昇とともに急騰。Zcashは約511ドルから2日間で550ドルまで上昇し、約8%の上昇。一方、現在は逆の展開。センチメントが消失し、買い注文が減るなか、価格は下落トレンドに入った。
しかし、クジラは異なる動きをみせた。
過去7日間で、上位100名のZcash保有者は47.71%も保有量を増加。およそ1万5000ZECの増加に相当する。標準的なクジラウォレットも11.44%増加し、約2000ZEC(78万ドル相当)を追加保有。合計でクジラは約1万7000ZEC(約600万ドル分)を下落局面で買い増した。
著名人ウォレットも保有量を約20%増やしている。
一方でリテール層は逆の動き。取引所への預け入れが増え、小口保有者が恐怖で売却したことを示す。その結果、市場は二極化。長期投資家が静かに買い続ける一方で、短期層はセンチメント急落に反応している。
クジラによる買いが下落速度を緩和しているものの、下落そのものは止められていない。
Zcash価格、EMAに支えられた期待で推移
Zcash価格は目先の転換点に位置している。
下値では361ドルが最初の注目水準。明確な下抜けなら弱気シナリオが強まり、326ドル、さらに最終下落目標の253ドル近辺まで波及する。
253ドル帯はヘッドアンドショルダー・パターンに基づく30%下落の到達点となる。
一方で、下落構造は依然として無効化できるが、条件は厳しい。Zcash(ZEC)は200期間EMAを再び上回り、その水準を維持する必要がある。直近、この水準を回復したのは12月初旬であり、その際ZECは40%超の上昇を見せ、チャートパターンの左肩を形成した。
その上では、40万7000円付近にレジスタンスが存在し、次いで43万6000円、48万2000円が控える。これらの水準を上抜ければ、センチメントの安定とトレンド回復の兆候となる。
現在、Zcashはテクニカル面の悪化と静かな蓄積の間に挟まれている。下落の導火線には既に火がついている。回復が十分速く進み、失われた構造が修復されるかどうかは、センチメント次第。

